ここを正せば定着率アップ!保育士に多い退職理由とは?

採用

ニワトリが先か、タマゴが先か。
人事領域でこの問題を言い換えると「新規採用が先か、職員の離職防止が先か」となるでしょう。
保育園において保育士が定数以下の配置しかできないと最悪の場合認可取り消し・閉園となってしまう可能性もありますので、各園の採用担当者の方々も日々神経質になっていることと思います。

保育園の採用担当を2年半経験したことがある私の実体験として、上記の2つの問題のうちより優先順位高く実行した方がいいのは「既存職員の離職率の低減です。

そもそも保育士の離職率が高い保育園にいくら新規職員を配属しても、長続きせず同じことの繰り返しになってしまいますからね。

今回の採用ブログでは、職員の定着率アップを図っていく上で実際どのような観点で離職防止策を講じていけばいいのか?についてまとめてみました。

1. 離職防止策を優先すべき理由

新規採用を最優先した結果大失敗

どうやって保育士からの応募を増やそう?
私が自社運営保育園の採用担当者として配属になった際、一番初めに考えたことです。

当時、次年度に新規開園する自社園の保育士必置数を確実に採用することが全社的なミッションであったことは今となっては言い訳だと思っています。
明らかに新しい仲間の採用に意識を持っていかれてしまっており、今まさに自社園の運営に貢献してくれている仲間である既存の保育士ことはなおざりになっていました。

ホワイトボードには「あと〇〇名」と月次の採用予算を掲げチーム一丸で追いかける日々。
そんなある日、東京の既存園現地にて保育士の面接を行った後に園長に呼び止められ掛けていただいた言葉は今も忘れません。

採用チームのおかげで保育士の面接は沢山できているように感じます。
でも、園長としてはまだ見ぬ保育士を新規で採用するよりも、私は今いる保育士たちが1名も欠けず来年度を迎えることの方がはるかに重要です。


既存の職員も色々な不安や不満を抱えています。
まずはその声を拾ってあげてください。


私はハッとさせられました。
自分はいつの間にか保育士をパズルのピースのように考えていました。
大切な仲間であり、それぞれに色々な想いをもって就業してくれている保育士のことをモノのように考える。
採用担当としてあってはならないことですし、園から本社に帰社する道中本当に自分が情けなくなりました。

結果として、その年度の3月末には本来離職する必要が無かった仲間たちの離職が一定数多い結果となってしまい、保育士の離職率は悪化しました。

以上のような失敗談から、新たな仲間を迎え入れようとする前に、まずは今いる職員の満足度を上げ、長く就業をしてもらえるような環境整備を行うことを優先すべきであると、私は考えています。

保育士の満足度を高める為の参考にすべきは、求職者との面接時に多い退職理由です。

 

2. 保育士に多い退職理由とは?

 

一言で退職理由と言っても、例えば給与・園の構造・立地・地域性など対応が難しい内容もあります。
また、職員の全ての不満を取り除くことは物理的に難しいでしょう。
私がここで述べたいのは、運営側の努力と対話によって双方で歩み寄る。
改善すべきところは改善し、説明が足りないところは再度説明する。
つまり労使がコンセンサスを得ることが重要ということです。

それでは、私の採用面接の実体験をもとに保育士に多い5つの退職理由を見ていきましょう。

保育士に多い5つの退職理由

(1)掲げている保育理念・方針が実践されていない

保育士であれば皆、自分が大切にしている「保育観」を持っています。
保育士が就職活動をする際に一番重要視しているのが園の保育理念・保育方針と自身の保育観とのマッチングです。

採用面接・園見学の際も、担当者は園の運営理念や保育方針を自信をもって語ります。

しかし、いざ期待に胸を膨らませて入職したけど実際現場で繰り広げられている保育が法人の掲げている理念・方針と大きくずれている・・・みたいな事案は結構あります。

<実践できる離職防止策>

  • マネジメント層/運営本部で保育理念・保育方針の研修を実施する
  • 定期的に保育現場を客観的にチェックし、必要に応じて指導・修正を図る

 

(2)業務量が多すぎる

自分に与えられる業務量が多く誰にも相談できず抱え込みすぎてパンクしてしまう。
子どもたち一人ひとりのことを考える余裕もなく、大人の都合で保育を進めてしまう。

こんなはずじゃなかった・・という心情になり離職につながることが想像できますね。

また、このパターンの場合せっかくなりたくて資格を取得した保育士の道を諦め他の業界に移っていくー潜在保育士になってしまうことが多いです。
自園のみならず、保育業界全体の人手不足の要因は取り除いていかなければなりません。

私も昭和生まれの世代なので、「仕事は身体で覚える」とか「業務をパンパンに任せてキャパを拡げる」のような根性論の社員教育で叩き上げられましたが今は時代が違います。

出来る限り業務量を適正化し、無理なく就業できる環境整備を目指すことが求められています。

<実践できる離職防止策>

  • パート保育士/フリー保育士などを配置しサポート体制を構築する
  • ICT機器の導入する
  • 手書きの事務作業を無くしPCを使用する
  • 壁面装飾などの製作物の簡素化
  • 行事の回数・内容の見直し

 

(3)就労環境が法的にアウト

上記の(2)と連鎖している場合が多いですが、業務とプライベートの切り分けが難しいのも保育業界の良くない慣習だと思います。

■法的に問題がある環境の一例

  • 退勤してからの居残りサービス残業
  • 行事の準備で土日にサービス出勤
  • 制作・事務業務を自宅に持ち帰り
  • 休憩が法定時間通り取得できない
  • 教材を自腹で購入

上記のような、保育士がプライベートを犠牲にすること前提での園運営を行っている事業者は根強く残っています。

仕事とプライベートに出来る限りメリハリをつけ、休むときは休み遊ぶときは思いっきり遊ぶ。
心身ともにリフレッシュした状態で毎日の保育をスタートできる。
そんな環境でこそキラキラ輝く保育士が育つのではないでしょうか?

<実践できる離職防止策>

  • サービス残業/業務の持ち帰りを一切廃止する
  • 休憩時間を確保できるように職員ローテーションの見直し
  • 教材の購入時は領収書添付で全て経費精算する

 

(4)自分の意見・提案を聞いてもらえない

園長をピラミッドの頂点として長く働いている順番に立場が上。
新人たるものモノを一切申さず上司・先輩の指示に従うべし!

このような謎の階級制度・縦社会も保育業界あるあるです。

子どもたちには主体性を持たせるのに新人保育士には意見を求めないなんて、矛盾していますよね。
ガチガチに固められたフレームの中でしか保育ができないのは保育士としては息苦しいでしょうし、保育士が成長を実感できなくなり、新たな環境を求めて離職していくことにつながります。

<実践できる離職防止策>

  • 職員会議の際に管理職が新人/若手にも意見を求める
  • 若手主体で企画する行事を設ける
  • 失敗を責めず新たなチャレンジを見守る風土を作る

 

(5)職場の人間関係

最後に持ってきましたが、私の経験上最も多いのが職場の人間関係が原因の退職です。

一緒に組んでいる先生との意見の相違
主任が自分にだけ当たりが強い
自分の子どもの発熱で急に休みをもらったら皆がいい顔をしない

などなど、人間関係で悩む保育士は沢山居ます。

また、一番解決策を出しづらい問題が人間関係だと思います。

下記の防止策はあくまで一例と考えてください。
ケースバイケースで人間関係の処方箋は変わってきます。

初期段階情報を吸い上げる仕組みを構築し、ことが大きくならないうちに改善に向けて動くことが大切です。

<実践できる離職防止策>

  • 本部/管理者へのお悩み相談の窓口を設置する
  • 職員面談で双方の意見を聞き調整する
  • 保育士のペアリングの変更
  • 姉妹園への配置転換

 

3.おわりに

私は保育園の採用担当として、延べ2,000名以上の保育士の方々と面接をした経験があります。

採用活動が形骸化してくると、いつのまにかベルトコンベアーのように順番に面接を行い、定数が来るまで内定を出すような流れ作業になってしまいがちです。

そのような中で自社園の施設長が指摘してくれた一言。

「園長としてはまだ見ぬ保育士を新規で採用するよりも、私は今いる保育士たちが1名も欠けず来年度を迎えることの方がはるかに重要です。」

採用の部署から離れ、保育業界の採用支援を行う立場になって以降も私の心の財産になっています。

今回は既存職員の離職を防止する為にも、数多くの採用面接を行ってきた実体験から保育士に多い退職理由を類型化してみました。
また、退職理由ごとに離職防止策をセットで記載することで各保育園でセルフチェックができるようにまとめました。
特に、離職率が高い保育園を運営されているようであれば真っ先に職場環境のチェックを行い改善を図っていきましょう。

もちろん、ただ長く勤続できていればいいということではありません。

保育の質の向上・保育士の専門性の向上・職員同士のチームワークの構築など、継続的に成長することで自園の保育をアップデートしていくことそのものが、今後の保育園に求められている。

同じ保育業界の人間として、そのように考えています。

 

4.幼保の採用相談ルームについて

  • 幼保業界の採用担当者が集まるコミュニティ
  • オンラインですぐにつながり課題解決・情報共有

「幼保の採用相談ルーム」参加メンバー募集中です!

新型コロナウィルス感染症の拡大について収束が見えない状況下。
保育専門のダイレクトリクルーティングサービス「きらぽんJOB(https://kirapon-job.jp/)」の利用企業さまから下記のような声をいただいております。

  • 採用に従事する人員が少ない
  • 日々の業務に追われ新しい打ち手が思いつかない
  • 他社との情報交換の機会がない
  • 自社の何が課題なのか分からない

私たちが何かできることはないか?と考えた結果、
幼保業界の採用担当者同士が直接つながって相互に情報交換や相談ができるコミュニティ「幼保の採用相談ルーム」を作ることにしました。

<幼保の採用相談ルーム概要>
◎参加メンバーの条件
幼保業界の人事・採用担当者様(複数名での参加も可)
◎参加料・会費
参加料・会費は無料です
◎コミュニティについて
非公開のFacebookグループを作成してありますので、下記のURLから参加の申請をお願い致します。
https://www.facebook.com/groups/761410967986699/
◎参加アカウントについて
法人のFacebookページ、もしくは個人のアカウントのいずれかで参加をお願い致します。
※参加した時点ではメンバー同士で自動的に友達になるわけではありません。
※入会後、個人同士での友達申請も可能ですが、参加メンバーの皆様の任意という形でお任せ致します。

幼保業界の採用市場は人材紹介会社への依存度が非常に高く、採用費の高騰が続いています。

事業者が求職者を直接採用できるような手段・ノウハウを皆で共有しながら、この業界の採用を変革していきませんか?
同じ想いを持った仲間同士で力を合わせればきっといい方向に向かうことができるはずです。

興味を持っていただける方からのお問い合わせを是非お待ちしています。

<お問い合わせ先>
株式会社モード・プランニング・ジャパン きらぽんJOB事業部
TEL:03-6847-5790
Mail:breg@kirapon-job.jp