保育士採用コスト増を解消するための採用手法「ダイレクトリクルーティング」とは?

採用

「保育業界の抱える課題は?」という質問を投げかけられた場合、「保育士の人手不足である。」と答える保育事業者の方々が圧倒的に多いのではないでしょうか?

特に待機児童問題の解消に向けて新規園の開設ニーズが高い都市圏において、新規開園の一番の柱となる保育士の確保は決して容易なものではなく、「保育園の新規開園が決まっているが保育士の採用が上手く進んでいない・・」と頭を悩ませている採用担当者の方々の姿を沢山見てきました。

今回は、縁あって保育士の供給側と採用側の双方の責任者を経験してきた私だからこそ感じている保育士採用に関する課題を整理し、課題解決の為の一つの手段として保育士のダイレクトリクルーティングを促進できる新サービス「きらぽんJOB」を考案した経緯について言及していきたいと思います。

1.筆者プロフィール

株式会社モード・プランニング・ジャパン 
きらぽんJOB事業部 山口 雄豊

 

1976年長崎県佐世保市生まれ
2010年入社 

 

医療福祉特化型人材サービス事業「キララサポート」のコンサルティング営業職に従事後、福岡支店支店長・人材サービス事業部ゼネラルマネージャーを経験。

2017年10月より自社運営の「雲母保育園」の新規開園数拡大の為、自社園採用チームにアサインされ、採用統括マネージャーとして2018年4月(新規10園)・2019年4月(新規17園)に向けた職員採用を実現できるチームビルディングに成功。

2020年4月(新規16園)分の採用活動も順調に推移し、無事に全園開園。

保育業界にて人材紹介・派遣の営業採用担当者の双方を経験したことで感じた、採用に関しての課題を解決する為に新規事業を自ら立案し、2019年10月1日に医療・福祉業界特化型の採用プラットフォーム「きらぽんJOB」をリリース。事業責任者として参画企業へのセールスを中心に担当しています。

【きらぽんJOB】資料ダウンロード

 

2. 保育業界が抱える保育士採用の課題整理

・保育士の有効求人倍率の推移

2018年11月時点の保育士の有効求人倍率は3.20倍(全国トップの東京は6.44倍)となっており、全業種平均の1.69倍と比較しても大幅に高い状態となっています。

保育士不足の主たる要因は、「子育て安心プラン」に代表される我が国の待機児童問題の解消に向けた取り組みが強化されていることで都市圏において保育所の数が増加してきている為です。

2014年4月1日時点では24,425ヶ所であった保育関連施設(認可保育所、認定こども園、地域型保育事業)が2018年4月1日時点では34,763ヶ所と、約10,000ヶ所増加しています。

施設形態にもよりますが、保育園を開園する為には保育サービスの提供者である保育士が一定数以上必置となりますので、園の数が増えれば増えるほど、保育園運営の担い手である保育士が不足していくことになります。

保育士 採用市場

 

・求職/求人活動のWeb化の流れ

2008年のiPhoneの発売以降の約10年間で、スマートフォンが爆発的に普及しており、買い物・SNS・動画鑑賞などはもちろん、仕事探しに関してもスマートフォンを使用した求職活動が現在のスタンダートとなっています。保育士に関しても当然同様の流れになっておりますので、保育事業者側も、紙媒体に求人を出稿したり、養成校に求人票を送ったりというアナログな求人活動で職員採用を行うことから、Web上で求職者に自園の求人を露出していったり、オンラインでの認知拡大を行っていくことが必要不可欠となっています。

それでは、保育事業者は現状どこまで採用活動のWeb化の波に対応できているのでしょうか?

参考になる資料として、2017年時点の独立行政法人福祉医療機構が実施した「保育園のICT等の導入状況」に関しての調査結果を引用します。

一般企業においては、近年でIT化を柱とした業務効率化は日増しに進んでおり、ほとんどの企業が生き残っていく為の手段として各種IT関連機器やサービスを導入していますが、保育事業者に目を向けてみると、もっとも導入が進んでいる会計関連でさえ67.1%であり、その他の分野に関しては軒並み低水準の普及率であることはお解かりいただけると思います。

上記の実態から、多くの保育事業者がまだまだWebを中心とした採用活動を行うことが出来ていないことが推察されます。

保育園のICT等の導入状況

出所:独立行政法人福祉医療機構「保育人材」に関するアンケート調査の結果について」(2017 年) (http://www.wam.go.jp/content/files/pcpub/top/scr/rr17006_2.pdf

 

・人材サービス会社の存在

採用活動のWeb化に対応が出来ていない保育事業者が求職者とのギャップを埋める手段として代表的なサービスが、人材紹介・人材派遣・紹介予定派遣を提供している人材サービス会社です。

多くの人材サービス会社は、事業者から受領した求人情報を基にWeb上の自社運営の求人ポータルサイトに掲載し、求職者から応募を促進したり、無料登録した求職者に求人を提案し誘導するなどを行い、保育事業者に人材を供給しようと動いてくれます。

事業者としては、求人を人材サービス会社に預けるだけで、あとは提案を待つだけの状態なので募集の手間が要らないという特徴が有ります。

また、求人掲載~応募~面接などの中間プロセス時点では料金が発生することはなく、初期コストが掛からないこともメリットと考えられます。

料金体系に関しては、紹介会社であれば、通常は具体的に採用が決定して入社に至った段階で手数料が発生する「成功報酬型」のサービスとなっており、派遣に関しては派遣保育士を受け入れて業務に従事した時間×派遣時給で月ごとに派遣料金が決定する「従量課金型」のサービスとなっています。

 

少々古いデータですが、厚生労働省が提供している「主要職種別の民営職業紹介事業所経由による常用就職件数の推移」に関する統計データでも、保育士の紹介会社経由の就職件数の伸び率がNO.1です。2019年3月現在の保育士人材紹介の市場規模は100億円程度と推定されています。

主要職種別の民営職業紹介事業所経由による常用就職件数の推移

出典:厚生労働省「職業紹介事業報告書」より作成
平成29年5月 最新人材市場動向レポート「ヒューマンタッチ総研Monthly Report」より引用
https://human-touch.jp/report/1705report_01.html

 

・採用費の高騰

プロフィールに記載している通り、私も元々当社の人材サービス事業「キララサポート」での営業経験がありますので、人材サービス会社利用の利便性は承知していますし、雲母保育園の採用チームでも人材紹介会社各社様の力無しでは現在の積極的な新規開園は実現できなかったと断言できます。

一方で、人材業は参入障壁が低いことから、保育関連の人材サービス領域においてプレイヤーが日増しに増えてきていることも実感しており、採用費の高騰に関して一抹の危機感も同時に持っています。

 

採用費の高騰に関してのエスカレーションイメージ 

  1. ①多数の人材業者に同じ求人を預ける
  2. ②求人案件数が多い人材業者運営の求人ポータルのWeb上でのサイトパワー・露出が増加
  3. ③求人ポータル経由での求職活動をする保育士が増える
  4. ④事業者は求人ポータル経由から採用するしか術がなくなる
  5. ⑤成功報酬・従量課金制なので、採用すればするほど採用費は上がっていく

 

上記のような流れで職員の採用コストが嵩んでくると、当然ですが事業者の収益は圧迫され、本来行っていくべき設備投資・園舎のメンテナンス・職員の福利厚生などに資金が回らなくなり、結果として職員の離職が止まらず、また採用ニーズが発生します。その際も、人材業者の力に頼る以外の打ち手はありませんので、また多大なコストを掛けて採用せざるを得えません。

冒頭に述べた通り、人材会社は特にWeb上での求職者の母集団形成に関しては絶大な力を有する利便性の高いサービスですが、事業者側が完全に依存してしまうと、採用に関する負の課題スパイラルが繰り返され、保育業界全体が疲弊してしまうことに繋がりかねないと考えています。

 

3.保育業界でのダイレクトリクルーティングの必要性

・ダイレクトリクルーティングとは

一般企業の採用活動では既に広く認知されている採用手法であり、求人媒体や人材業者に紹介や派遣を依頼する「待ち」の姿勢の採用ではなく、各種ITツールやサービスなどを駆使して企業の採用担当者側から能動的に自社の募集要件にフィットする人材を探す「攻め」の採用手法です。近年多くの一般企業が導入しています。

前項で述べた通り、私が感じている保育業界での人材業者の台頭による採用に関する課題感は多くの採用担当者の方々も同感のことと思います。

私が、雲母保育園の採用責任者としてこの課題を解消していく為に時間を掛けてずっと取り組んできたのがダイレクトリクルーティングの強化に他なりません。

 

・ダイレクトリクルーティングの種類

一言にダイレクトリクルーティングと言っても、母集団形成の為のチャネルは一つではありません。
下記に一例を挙げてみます。

<ダイレクトリクルーティングのチャネル例>

  • 求職者DBを使用したスカウト
  • SNSの運用
  • 養成校へのアプローチ
  • 自社主催のイベント企画
  • リファラル(社員からの推薦による採用)

どのチャネルが最も効果的か?の判断は事業者の特徴や採用担当者の採用活動に掛けられる時間やスキル習熟度によっても違いますので、おすすめはまずは思いつく限りあらゆる打ち手を検討し、実施することです。また、ダイレクトリクルーティングのチャネルからの母集団形成に関しては一朝一夕では成果がでるものでもありませんので、一気にダイレクトリクルーティングのみに舵を着るのではなく、従来型の「待ち」の採用手法に関しても必ず平行して実施していくことがマストだと思います。

 

・「内勤リクルーター」の配置

私が知る限り、保育業界の採用担当者で暇な方はいらっしゃいません。

常に紹介会社からの推薦メールのチェック・対応や、面接時間の調整、求職者の面接対応など、非常に沢山の業務に追われ、「ダイレクトリクルーティングの重要性は理解できても、そこに割ける時間が無い!」とお感じになっておられる方々も多いのではないでしょうか?

ダイレクトリクルーティングが成功するかどうかを左右するのは、内勤常駐のメンバーを固定的に配置できるかどうか?に掛かっています。私は「内勤リクルーター」と呼んでいます。

内勤リクルーター配置の重要性と効果を本当の意味で理解できている方は意外と少ないと思っています。

 

<従来的な体制>

メンバーマルチタスク
業務内容応募者・人材会社対応・求人媒体掲載/面接官/既存職員からの相談業務/雇用契約書等書類作成/勤怠管理/就職フェア準備・参加 など
特徴・採用に関わる業務を横断的に担当できるので、情報の一元管理が可能
・特に繁忙時は、業務量が物理的に多くなってしまうので、応募者・人材会社などへの対応スピードと精度が悪くなる。
・一人で業務に従事しているので、新たなアイデアや施策実行が出来ない

 

 

<ダイレクトリクルーティングを実現する為の体制

メンバー①リクルーター(渉外担当)
業務内容就職フェアや会社説明会、養成校訪問、採用面接を実施する
特徴・主に外出して、就職フェアや会社説明会、養成校訪問時は応募者の母集団形成をリアルなコミュニケーションの中で行い、採用面接実施時は応募者と自園のマッチングに注力できる。
・営業経験者など対面型の状況で力を発揮するタイプを配置すると成果が出やすい傾向が有る。(明るく・元気・共感力が高いなどのタイプ)

 

メンバー②内勤リクルーター
業務内容

応募者・人材会社の対応・SNSの更新・求人情報の更新・Webサイトのメンテナンス・スカウト実施など、内勤で出来る募集団形成を実施する

特徴・基本的に内勤常駐で、応募者や人材会社からの問い合わせには迅速に対応し、その他の主にWeb上での母集団形成の施策を継続的に実行し、数値的な結果を検証しながらPDCAを回し続ける。
・マーケティング的な発想・数値を根拠にした仮設建てなど、論理的な思考力に加えて、応募者・紹介会社との電話・メールでのやりとり時のコミュニケーション能力も必要。
・ダイレクトリクルーティングの成果を生み出すために必須の存在。
・各種施策の取り組みの成果が出てくるのに時間が掛かる。

 

メンバー③労務担当者
業務内容業務内容内定者との入社日までのやり取り/既存職員からの相談業務/雇用契約書等書類作成/勤怠管理など労務管理全般
特徴・基本的に内勤常駐で、内定者や既存職員との労務周りのやり取り専任の担当者。
・採用母数によっては、タイプ①・②のいずれかと兼務の担当者を設置することも可。

 

ダイレクトリクルーティングは1名辺りを低コストで採用できる手法です。

ダイレクトリクルーティング経由での入社数が増えて行けばいくほど、結果として全体の採用単価は下がっていきます

一方で、内勤リクルーター配置の成果は短期的なリターンというよりは、中長期でジワリジワリと採用数に跳ね返ってくるという特徴がありますので、思い切って配置を決断する事業者の方が少ない状態です。

内勤リクルーター配置に関して、「人件費をこれ以上採用部門に掛けることはできない」「上司の承認が下りない」とお感じの方々もいらっしゃるかもしれませんが、例えば紹介会社経由で保育士を採用した場合関東圏では75万円程度掛かりますので、内勤リクルーターを年間賃金300万円で配置した効果として、ざっくりと諸経費を差し引いてもダイレクトリクルーティングで年間5名以上採用できればペイできるはずです。

 

<雲母保育園のダイレクトリクルーティングの成功要件>※あくまで当社の成功体験を基にしています。

  • 内勤リクルーターは必ず専任者を配置する
  • SNSの更新は毎日継続的に、コツコツと行う
  • 職員採用専用のホームページを制作する
  • Webマーケティングに関する知識習得(indeed運用含む)
  • スカウトメールは同じ文章ではなく、相手によって個別性を持たせる
  • 養成校を分類し、自社の採用手法にマッチする養成校へ密にアプローチする   

など・・

【きらぽんJOB】資料ダウンロード

 

4. きらぽんJOBを考案した理由

約1年前に、当社の代表からの新規事業の立案の指示を受けて私が真っ先に考えたことが、保育業界の採用に関する課題解決につながるようなWebサービスの制作でした。

中でも、保育士の採用をもっと簡単に・低コストにしていく為にダイレクトリクルーティングを促進できるようなサービスをリリースしたいと考えた結果生み出されたのが「きらぽんJOB」です。

つまり、きらぽんJOBは保育事業者の採用担当者として内勤リクルーター体制の導入ダイレクトリクルーティングの重要性を信じ強化してきた私自身が欲していたサービスであると言えます。

 

<きらぽんJOBのサービス資料はこちらからダウンロード可能です>

 

 

◆きらぽんJOB 4つのメリット

1.  質の高い求職者を直接お届け

きらぽんJOBを利用できるのは医療・福祉関連施設の運営事業者のみ。
人材紹介/派遣会社や他のポータルサイトの求人は一切掲載しておりません。

 

2. 条件が合致する求職者を自動通知

掲載中の求人と条件が合致する求職者が登録されたら、貴社に自動で通知を配信し
ます。

 

3. スカウトメールで求職者にアピール

求職者にスカウトメールを送ることで求人情報をアピールし、応募を促すことができます。

 

4.将来的には全42職種の求職者を集客

2020年4月現在は関東1都6県の保育・介護領域のみでの展開となりますが、
将来には保育・介護・医療の領域に特化した全42職種の人材を全国的に集客していく予定です。
人材紹介ではコストが見合わずなかなか募集がかけられない職種の方にもアプローチが可能です。

 

利用時の初期費用・月額費用無料!求人掲載も無料で代行!ノーリスクできらぽんJOBの利用が開始できる「成果報酬プラン」からのご利用開始をおすすめしています。

きらぽんJOBのご利用を希望される方は企業会員登録からお申込みください。

 

 

5.まとめ

保育業界が抱える保育士採用の課題整理と、課題解決に向けたダイレクトリクルーティングの必要性について述べてきました。また、私自身が保育事業者の採用責任者として保育士の採用数を拡大してきた経験則から、ダイレクトリクルーティングを成功させるための要件についてもまとめてみました。

専任の内勤リクルーターの配置が一番大切な成功要件となります。

 

きらぽんJOBはダイレクトリクルーティングを加速させることで、保育業界の採用効率を最大化し、保育士採用をもっと簡単に・低コストにしていく為に考案し、リリースしたサービスです。保育業界の採用活動に従事する皆さんのお役に立てることを目指していますので、是非ご用命いただけますと幸いです!