採用決定率75%を実現したノウハウ集② 保育士確保を実現する面接手法とは?

保育士確保を実現する面接手法とは?採用

「採用」とか「選考」というワードから連想するのは、主導権が採用側に有り、企業は募集を掛けて応募を待ち、ある程度の母集団の中から求職者を選ぶような従来型の採用スタンスですが、現状の保育士採用市場においてはなかなか成果に繋がりづらくなってきていると感じます。2018年11月時点の保育士の有効求人倍率は3.20倍(全国トップは東京の6.44倍)となっており、全業種平均の1.69倍と比較しても倍くらいの乖離がある「超売り手市場」です。

特に新規園の開園を控えている事業者は離職者の補充だけでなく開園数に比例した多くの人数の保育士を確保する必要があります。当社が2019年4月に新規17園、2020年4月に新規16園と2年間合計で33園を開園することが出来た一つの要因として、採用スタンスを変え面接の手法を確立することによって、内定を出してからの採用決定率75%を実現できていることが挙げられます。

雲母保育園採用チームが実践している面接手法について、解説していきます。

1.採用面接は営業と同じ!面接官は一流の営業マンを目指す

完全なる売り手市場下の保育士採用において、面接官の選定と育成は非常に重要です。何人の求職者と面接する機会が有ったとしても、求職者と直接触れる面接官が一定以上のクオリティの面接を実施できなければ求職者の内定受諾を得ることが出来ません。

私は元々が営業畑の人間という事もあり、常に相手に選択権があるシチュエーションで業務に従事してきました。成果を上げることが出来ることもあれば、大失敗をすることも有りまだまだ未熟な身では有りますが、常々思っていることは、「優秀な面接官=優秀な営業マン」であることです。一流の営業マンになることを目指して、当社面接官が常々意識をしていることを箇条書きにしてみます。

・採用担当は第一印象が9割―明るさ・笑顔・丁寧さ

髪型・服装はしっかりと整える。また、求職者がスーツを着用しているにもかかわらず、採用担当者は半袖シャツやノーネクタイでは対等ではないと感じますので、私は面接時は常にスーツ+ネクタイを着用しています。

話し言葉に関しても、まず求職者さんと対面した際には必ず敬語で「初めまして。雲母保育園の採用を担当しております山口と申します。本日はお忙しい中ご来園いただき本当にありがとうございます!」といった形で笑顔で丁寧に感謝の意をお伝えします。

会話が進むにつれて、求職者のタイプに応じて話し言葉を崩していく場合もありますが、基本的にはウェルカムな姿勢は崩さず面接を進めていきます。

・相手の緊張を緩和する

面接官は何人もの求職者と面接してきているので、面接という行為そのものにある程度慣れていますが、求職者側に立つとそんなに面接慣れはしていないものです。相手が緊張した状態のままで面接を実施してしまうと、ヒアリング時に本音を引き出せないまま面接が終了してしまう場合もありますので、まずは求職者さんの緊張を解いてあげましょう。

当社で行っている工夫の一例ですが、当社では敢えて求職者さんとの待ち合わせは面接する園現地ではなく、最寄り駅にしています。開放的なシチュエーションで尚且つ人通りがある場所で待ち合わせをしてお会いすることと、駅で待ち合わせしてから園に到着するまでの道中で、世間話を交えながらフランクな会話を行うことで、緊張感を緩和した状態で現地で面接を実施することが目的です。

・会話の割合は3:7が理想

目の前の求職者さんを採用したい!という想いが強くなればなるほど、こちら側から一方的に法人の保育理念や条件面などを話す押し売り営業型になってしまいがちです。

面接が終わった後に求職者に「有益な時間を過ごすことが出来た!」と思って帰っていただく為には、求職者自身が自分の考え・想い・伝えたいことを充分に話すことが出来たという達成感を味わっていただく必要がありますので、必然的に求職者が話をしている時間の方が長くなくてはならないのです。

面接官と求職者のタイプやシチュエーションにもよりますのでまちまちではありますが、会話の割合は面接官3割:求職者7割くらいが理想的です。相手の話を引き出すには、ヒアリング力が必要になってきますが、ヒアリングに関してだけで書籍が何冊も出ているくらい奥が深い領域ですので、改めてヒアリング手法についても学びなおしてみてはいかがでしょうか?

面接時は、まずは履歴書に沿った職歴や退職理由、保育士を目指したきっかけ、保育士をしていて一番良かったと思った時のエピソード、今後の目標など、出来るだけ求職者さんの素の姿が理解できるようなヒアリングを行いましょう。

・相槌と共感の意を表す

ヒアリングを行う上でトークの技術として必須なのが、「相槌を打つ」「共感の意を表現する」ことです。良くあるヒアリングの失敗例として、あらかじめ準備したヒアリング項目を上から順番に聞いていき、相手の目を見ず順番に埋めていくような尋問調になってしまうパターンです。

慣れないうちはヒアリング項目を用意しておいてもいいと思いますが、ヒアリングする際は必ず相手の目をしっかりと見て笑顔で相槌を打ってあげたり共感の意を表現することが必須です。

そのようなコミュニケーションを心がけておくことで、「自分の話をちゃんと聞いてくれる面接官」であるという印象を相手に与えることが出来ます。

・自園のセールスポイントを整理

当社ももちろんそうですが、求職者が望んでいる100点満点の職場環境を実現出来ることは絶対にあり得ません。必ず、その求職者にとってメリットとなる部分とデメリットとなる部分がどのような事業者でも存在するものであると思います。

売り手市場下で相手をどうしても口説きたい場合に、デメリットに蓋をしてメリットのみを相手に伝え引っ張りこもうという意識が自然と芽生えてしまうものですが、我々事業者の目的は、求職者を入職させることではなく、入職後もやりがいを持って長く勤務していただくことであるはずです。

面接時の付け焼刃のトークで隠したデメリットは、入職後に必ず保育士の前に顕在化してきます。

事前に聞いていなかったデメリットは、通常許容できるものではなく、意識的な綻びが生まれてしまうことで短期退職になりかねません。
そうなってしまうと、求職者も事業者はもちろん、先生が突然いなくなってしまうことによって保護者や子どもたちも不安感を持ってしまうなど誰も得をしないと思います。

相手にフラれてしまうことは怖いですが、双方納得した上で就業していただく為も、求職者さんが自分たちの保育園で働くことになった場合に享受できるであろうメリット部分だけでなく、事業者として職場環境面で課題に思っている部分であったり、今後改善の必要を感じていて着手している部分であったり、丁寧に説明をしてあげましょう。

以上が私たちがいつも面接官として意識をしているポイントになります。
面接官の個性によって上記がすべて正解となりえるかどうかは分かりませんが、少なくとも当社の採用担当には常に各項目を意識してもらっていて、内定受諾率75%を達成できていますのでご参考いただければと思います。

2.まとめ

今や完全な売り手市場となっている保育士採用において、保育士からの応募を「待ち」、複数の応募者から「選ぶ」というスタンスではなかなか必要人数を確保することが難しくなってきています。

採用に関してのスタンスを変え、事業者側が保育士を「自ら探し」、自園を保育士に「選んでもらう」為の取り組みを行っていくことが必要な環境と言えるでしょう。

また、折角内定を出しても求職者に受諾してもらえなければ全ての努力は水の泡になってしまいますので、面接官の選定と育成は非常に重要です。

優秀な面接官=優秀な営業マンであるという認識を持ち、身だしなみ・相手の緊張を解く配慮・相手の気持ちに寄り添ったヒアリング・共感・メリット/デメリットをしっかりと伝える姿勢などを大切に、求職者満足度の高い採用面接を実施することが出来るように、共に一流の営業マンを目指していきましょう。